硝子体注射
硝子体注射とは
加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症などの網膜の疾患により、黄斑(網膜の中心部分)に浮腫(むくみ)が生じると、ゆがみや中心暗点(真ん中が暗く見える)、視力低下などの症状が出現します。
これらの疾患では、体内のVEGF(血管内皮増殖因子)という物質が、新生血管の増殖や黄斑浮腫の悪化に関与していることがわかっています。硝子体注射は、このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射することで、新生血管や血管成分の漏れを抑制する治療です。


●薬剤(抗VEGF物質)の働き
1. 網膜の血管流からの血液成分の漏れを抑え、結果的に網膜の浮腫みをひかせます。
・・・糖尿病黄斑浮腫に対して有効
2. 網膜の下にある脈絡膜から網膜へ向かって生えてくる異常血管(脈絡膜新生血管)を縮小させ、新生血管からの血液成分の漏れを抑えます。
・・・加齢黄斑変性、近視性脈絡膜新生血管症に対して有効
3. 血管が詰まり、網膜が酸欠状態の時、網膜から酸素不足のサインの1つとしてVEGF物質が放出されます。VEGFは網膜の浮腫みや新生血管発生の原因となるため、これを抑えます。
・・・網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症に対して有効
硝子体注射が有効な疾患
現在、下記の5つの疾患に対して、硝子体注射が適応になっています。
●加齢黄斑変性症
●糖尿病網膜症(糖尿病黄斑浮腫)
●網膜静脈閉塞症
●強度近視による脈絡膜新生血管
●血管新生緑内障
加齢黄斑変性
網膜の中心である黄斑部(物を見ようとする部分)に血管新生が生じ、出血やむくみなどにより、視力が低下する病気です。 硝子体注射(抗VEGF療法)が主な治療となります。
糖尿病網膜症(糖尿病黄斑浮腫)
糖尿病網膜症は、その名の通り、糖尿病に付随して起こる病気で、糖尿病によって血液中に糖分が高い状態が続くと、網膜の細い血管が詰まったり、出血を起こしたりするようになります。
進行し、もともとある血管が障害を受けると、その働きを補おうと新しい血管(新生血管)が作られます。
新生血管は非常に脆く、破れて血液成分が溢れたりすると重大な視力障害をきたすこともあります。
糖尿病網膜症の進行の程度に合わせて適切な治療を行います。
近年では、硝子体注射(抗VEGF治療)による治療が注目されています。
網膜静脈閉塞症
網膜静脈閉塞症は、網膜の血管(静脈)がつまってしまい、網膜がむくんだり出血したりして、ものが見えにくくなる病気です。症状としては「目のかすみ」「視野が欠ける」「視力低下」などが挙げられ、黄斑浮腫を改善する目的で硝子体注射(抗VEGF治療)を行うことがあります。
強度近視による脈絡膜新生血管
近視が原因で黄斑部(物を見ようとする部分)に新生血管を生じる病気です。
血管新生緑内障
網膜などの眼内の血流が滞ることが原因となり、眼内に異常な新生血管が生じて眼圧が高くなる疾患を血管新生緑内障と言います。一度眼圧が高くなるとさらに虚血(血流の滞り)が悪化してしまい、新生血管も増殖するという悪循環に陥ります。そのため、早期発見・早期治療が重要です。
硝子体注射の方法
注射の前に点眼麻酔をしますので、処置中の痛みはほぼなく眼球が押される感覚を受ける方が多いです。注射針も採血などで使用する針よりもずっと細いものを使用するので穴はすぐにふさがります。目に針を刺すことに抵抗感や恐怖心を抱く方が多いと思いますが、ご安心ください。


点眼消毒・麻酔
注射
注意事項
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注射当日は、車・バイク・自転車の運転はできません。公共交通機関またはご家族の運転する車などでお越しください。
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注射当日はお化粧を落としてご来院ください(お化粧は翌日から可能です)。
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入浴・洗髪・洗顔は注射翌日から再開してください。
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非常に稀ですが、注射時に細菌感染を起こす可能性があります。感染予防のため、注射後は必ず抗菌薬の点眼を使用してください。
